はじめての⼤拙――鈴⽊⼤拙 ⾃然のままに⽣きていく⼀〇⼋の言葉
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Narrated by:
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白井 翔太
About this listen
禅を世界に広めた哲学者・鈴木大拙が
どうしても伝えたかった「禅の本質」を
厳選された言葉から読み解いていく、
今までにない「大拙入門」です。
禅寺での修行を経てアメリカに渡り、
禅を「ZEN」として世界に定着させた功労者、鈴木大拙。
彼の功績は、かのスティーブ・ジョブズが禅に傾倒するきっかけを生んだほか、
直接交友のあったジョン・ケージに多大なる影響を与えました。
本書は、そんな大拙の思想にはじめて触れる人が
その本質を体感できるよう、108の言葉を厳選して編み集めたもの。
「大拙爺さん」の語りに耳を傾けながら「禅」の本質を感じ取る、
いままでにない一冊の誕生です。
◯目次
第一章 自然のままに、自由に生きる
第二章 機械にとらわれず、美と愛に生きる
第三章 知性・言葉とともに、無心に生きる
第四章 苦しみや矛盾のなかを生きていく
第五章 禅の悟りは、いわゆる「宗教」ではない
◯編者・大熊玄さんの「はじめに」より
この本は、はじめて鈴木大拙の言葉にふれる人たちのために編まれました。
どの言葉がどの順番に並べば、大拙の伝えたいことが今を生きる人に届くのか、
いろいろと工夫しながら編みました。そのようにして言葉が選ばれ、
並び替えられるうちに、やがて、いわゆる禅語や仏教用語、あるいは
研究者だけの専門用語はほとんど姿を消して、ふつうの日常的な言葉が残りました。
そもそも、鈴木大拙を知らない人もいらっしゃるでしょう。
でも、べつにその人物を知らなくても、その言葉によって「何か」が伝わり、
読んだ人に大切な「何か」が生まれることもあります。
その「何か」の大切さに比べれば、誰が言ったのかはあまり重要ではありません。
ですから、これまで大拙を知らなかったとしても、とくに問題ありません。
いや、むしろ、「誰が」を知らなかった人のほうが、その「何か」が生まれるかもしれません。
そもそもこの本は、じつは鈴木大拙という名前に紐づけされた情報の提供を
目的にしていません。鈴木大拙に関して多くの情報を収集したい人は、
他の本を読むことをお勧めしますし、ネットで検索をしてもいいでしょう。
この本は、そうした固有名詞(検索語)に付着した情報を得ることではなく、
一つ一つは短いながらも力のある言葉を伝え、
その言葉たちが指し示す「生きた何か」を掴みとることを目的としています。
もちろん、その結果、鈴木大拙その人に興味をもち、
その著作へと読みすすめるきっかけとなれば、嬉しいかぎりです。
あるいは読者の中には、大拙の著作を読んだことのある人、
それに限らず仏教思想や禅語に親しんでいる人もいるでしょう。
この本は、そうした人にも意味のあるようにと編まれました。
ただし、いわゆる禅語などは登場してきませんから、
そうした硬めで重厚な言葉を期待する読者には、少しもの足りないかもしれません。
しかし、一見して柔らかく軽やかな言葉にも、
よくよく考えると深い意味が隠されています。
大拙は、専門性の高い凝縮された知識をほぐして「ふつうの言葉」で語る達人です。
その一つ一つの言葉が結びつき、全体としてどのような意味が表れるか。
それは、すでに多くを知っている人にも味わい深いはずです。
©2019 Daisetsu Suzuki , Gen Okuma (P)2020 Discover 21, Inc.