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火縄銃
- Narrated by: 大島 昭彦
- Length: 34 mins
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Publisher's Summary
<内容紹介>
ある年の冬休み、私は友人の林一郎から一通の招待状を受け取った。弟と二人でホテルに滞在して狩猟に明け暮れているが、二人では面白くないので、暇があれば遊びに来ないかというのである。私は喜んで彼の招待に応じ、友人の橘と一緒にA山麓Sホテルへと向かった。あまり林と仲が良くないらしい弟の存在は気がかりであったが……
ホテルに着くと、ボーイに案内されて林の滞在している部屋を訪れるが、眠っているのか、ノックをしても返事がない。ボーイが言うには、お休みの際は内鍵をかけているのだという。だが、少し強く戸を叩いたり、怒鳴ったりしても全く反応はなく、私は不吉なことを想像した。
「オイ、どうも変だぜ。どうかしてやしないか」
橘もこの様子を只事でないと察し、ボーイに母屋から合鍵を持ってこさせた。
扉が開くと、真っ先に橘が飛び込んだが、寝台の元まで掛けていった彼は、微かな叫びを上げて固まった。
寝台の上には、左胸を銃で撃ちぬかれた林一郎の亡骸が横たわっていたのである……
<江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)>
日本の推理小説家。1894年10月21日生まれ、三重県生まれ。筆名は、19世紀の米国の小説家エドガー・アラン・ポーに由来する。数々の職業遍歴を経て作家デビューを果たす。本格的な推理小説と並行して『怪人二十面相』、『少年探偵団』などの少年向けの推理小説なども多数手がける。代表作は『人間椅子』、『黒蜥蜴』、『陰獣』など。1954年には乱歩の寄付を基金として、後進の推理小説作家育成のための「江戸川乱歩賞」が創設された。
ある年の冬休み、私は友人の林一郎から一通の招待状を受け取った。弟と二人でホテルに滞在して狩猟に明け暮れているが、二人では面白くないので、暇があれば遊びに来ないかというのである。私は喜んで彼の招待に応じ、友人の橘と一緒にA山麓Sホテルへと向かった。あまり林と仲が良くないらしい弟の存在は気がかりであったが……
ホテルに着くと、ボーイに案内されて林の滞在している部屋を訪れるが、眠っているのか、ノックをしても返事がない。ボーイが言うには、お休みの際は内鍵をかけているのだという。だが、少し強く戸を叩いたり、怒鳴ったりしても全く反応はなく、私は不吉なことを想像した。
「オイ、どうも変だぜ。どうかしてやしないか」
橘もこの様子を只事でないと察し、ボーイに母屋から合鍵を持ってこさせた。
扉が開くと、真っ先に橘が飛び込んだが、寝台の元まで掛けていった彼は、微かな叫びを上げて固まった。
寝台の上には、左胸を銃で撃ちぬかれた林一郎の亡骸が横たわっていたのである……
<江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ)>
日本の推理小説家。1894年10月21日生まれ、三重県生まれ。筆名は、19世紀の米国の小説家エドガー・アラン・ポーに由来する。数々の職業遍歴を経て作家デビューを果たす。本格的な推理小説と並行して『怪人二十面相』、『少年探偵団』などの少年向けの推理小説なども多数手がける。代表作は『人間椅子』、『黒蜥蜴』、『陰獣』など。1954年には乱歩の寄付を基金として、後進の推理小説作家育成のための「江戸川乱歩賞」が創設された。
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